行政法上の法律関係に関する記述として、判例に照らし、妥当なものはどれか。


1、公営住宅の使用関係は公法上の関係であるあら、これについては、公営住宅法及び条例が適用され、民法及び借地借地法は適用されない。

2、国と国に勤務する公民との関係は特別権力関係であるから、国は、公務員及び健康等を危険から保護するよう配慮する義務を負わない。

3、村道通行の自由権は、日常生活上諸般の権利を行使するのに欠くことのできないものであるが、公法関係に由来する権利であるので、この権利が妨害され、その妨害が継続されても、妨害の排除を求めることができない・

4、国が安全配慮義務を怠ってしまった結果、違法に公務員の生命、健康等が害された場合、損害を受けた公務員が国に対して有する損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法30条により5年となる。

5、法の一般原則である信義誠実の原則は、もともと私人間における民事上の法律関係を規律する原理として成立したものであるが、租税法律主義の原則が貫かれるべき租税行政をはじめとして、法律による行政の原理ふぁ強く要請される行政上の法律関係に置いても適用される余地がある。 
解説

正解 選択肢 5

1、妥当ではない。
判例は、公営住宅の使用関係についても、民法の賃貸借契約における判例法理である信頼関係破壊の法理が適用されるとする(最判昭59、12、13)

2、妥当ではない。
判例は、自衛隊の勤務関係に置いても、民間の労働関係で適用される安全配慮義務を肯定している(最判昭50、2、25)。安全配慮義務は当時者間において信義則上負う義務だからである。

3、妥当ではない。
判例は、道路の通行権は公法関係に由来するとしながらも、通行の自由が害された場合は、民法上の保護が与えられるとする(最判昭39、1、16) 

4、妥当ではい。
判例は、国に対する損害賠償請求権の消滅事項お期間は、民法167上1項が適用され10年であるとする(最判昭50、2、25)。会計法30条の時効期間である5年が適用されるわけではない。

5、妥当である。
厳格な法治主義が要請される租税法上の法律関係に信義則の適用があるかという問題である。判例は、租税法関係に信義則の適用に慎重であるべきとしながらも、特別の事情があれば適用を肯定している。(最判昭62、10、30)